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更新履歴とからんたの呟き
2026/04/26  [PR]
 

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それは、取るに足らない日常の一場面に過ぎなかった。


1、2、3……5まで数えて、阿含は伸した人間の数を数えるのをやめた。
吐きながら這い蹲る男の後ポケットから財布を抜き出し、札だけを掴む。
どいつもこいつもシケてやがる、と舌打ちし、十人目を取り出した所で、どぎついネオンも届かぬ暗闇に黒く細い足が見えた。

その少年は立っていた。
つまり、阿含が沈めた集団の者ではないということだ。
特に興味も無かったが、少年の先にもまだ伸びた金蔓が居る。
阿含は顔を顰め立ち上がると、少年を正眼に据えた。

闇の中、光を集めた鮮やかな金糸があった。

阿含と同じ、いや、少し明るいくらいだろうか、真っ直ぐに逆立った金髪、細く鋭い眉、切れ長の目尻や薄い唇は妖艶ささえ漂わせ、尖った耳に四つのピアスが下がっていた。
黒い服に黒い靴、背に構えた黒い物体はライフルのように見える。

なんだコイツ、彼に対する阿含の第一印象はそんなものだ。
解放しきれなかった熱は身体の奥底で出口を求めてざわめいていたが、不思議とその少年を傷つける気は起きなかった。
しかし、だからと言って興味も無い。
阿含はただ少年の脇を通り抜けようとした。

「金剛阿含。」

予期せぬその一言は、阿含の足を止めるには充分だった。

「5月31日生まれ13歳。165㎝60㎏。B型左利き。その類稀なる身体能力のため百年に一人の天才と呼ばれる。欲望に忠実。双子の兄の名は雲水。」

変声期を迎えたばかりであろう低く掠れたその声は、阿含の鼓膜から心臓にまでその振動を伝えるようだった。

「……テメエ、誰だ?」

阿含のすぐ左に少年がいる。
四肢も胴体も細長く、首など少し力を加えるだけで簡単に折れてしまうだろう。
構えた銃など何の役にも立たない。

少年はけれど脅えた様子も無く、器用にガムを膨らませパチンと割ると、その薄い唇を開き牙のような犬歯を覗かせた。

「蛭魔妖一。テメーと取引がしてぇ。」

合わせた視線は、阿含が知るどの人間より深い黒で、阿含の知るどの人間より獰猛な色を湛えていた。
ヒルマヨウイチ。
その音がどの言葉よりも阿含の虚ろな渇きを潤すことになろうとは、この時の阿含は知る由も無かった。


それは、取るに足らない日常の一場面に過ぎない―――筈だった。




一度はやりたかったアヒル出会い編。
特に何も起こらずしかも短い。
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「…ここか。」
「そーみてーだな。」
「………妙だな。」

高く連なる岩山の奥深く。
ここが北の大地の真ん中に位置することや、標高が極めて高いことなどを考慮しても、異様な気候だ。
不気味なほど、安らかで心地がいい風。
岩肌を這うように穏やかに雲が流れ、乾いているでもなく、湿っているでもなく。
山岳地帯にありがちな唐突な天気の変化もない。

この地域の龍は所謂フリーザードラゴンと呼ばれる種で、数メートルの高さにも達する雪と氷に覆われた洞窟などに生息するのが普通だ。
しかし見渡す限り雪もなければ氷もない。
ましてやローブやマントを一枚羽織っただけの格好でも身体は寒さに悲鳴を上げたりはしない。
つまり温暖なのだ、気候が。

「…とにかく入るか。」
「待て、クリフォード。」

白いマントを纏った剣士を、黒いローブを纏った魔導師が制した。

「結界だ。」
「結界?」

魔導師はケケケとさも面白そうに笑った。

「道理で糞ハンター共が帰って来ねえワケだ。外からは入れても内からは出らねえようになってる。とっくの昔にドラゴンに食われたか、運よく逃げ延びても餓死だな。」

北の大地、神の山ナーガ。
そこに2年ほど前から居着いたドラゴン。
雪も氷もない温暖な気候。
帰って来ないモンスターハンター達。

ちぐはぐだったピースが、ここへ来て大まかな繋がりを見せる。

「あの糞坊主、やっぱ隠していやがったか。」

流浪の旅を続ける剣士クリフォードと魔導師ヒル魔の元に、その依頼が舞い込んだのは突然だった。

「ナーガのドラゴンを退治してもらいたい。」

雲水と名乗るその僧侶は、莫大な手金と共にそう言った。
ひどく思いつめたその表情に、クリフォードもヒル魔も違和感を覚えたのは言うまでもない。
けれど雲水は見た目通りの頑固者で、噂に流れている以上の情報を口にすることはなかった。

「ご丁寧に結界まで張られてその上退治してくれとは…面倒なことになってきたな。」

モンスターハンターと呼ばれるものたちは、希少なモンスターを狩り、その毛皮や歯、内臓などを加工し売ることで利益を得ている。
買い手は様々だが、主に魔法使いが上客。
ドラゴン希少価値としても利用価値としても最高級。
一匹捕らえただけでも、一生遊んで暮らせるほどの利を得る事が出来る。

それを、あの僧侶は、『退治してくれ』と言ったのだ。『狩ってくれ』ではなく。

「結界のことも知ってたんだろ。それに…中にいる呪われた野郎のことも。」
「呪われた?……人間か。」
「あぁ、恐らく龍と人間のミクスチャーだ。」
「ドラゴンと人間を掛け合わせたって、実質ドラゴンだろ?人間のほうが先にイカれちまう。」
「まー、普通はそーなんだがナァ。」

ミックス――異種族間の二固体を掛け合わせる魔法は、ただでさえ上級魔法、そう多くの人間が使えるわけではない。
しかも、普通は精神と肉体のレベルが近い種族間で行われる。
上手くいけば、完全共存――二固体の精神が一つの肉体の中で同居し続け、肉体のみ都合のいい方にスイッチする事が出来る。
肉体を上手くコントロールできるようになれば、中間体と呼ばれる、どちらの肉体の特徴も受け継いだ身体になることも可能だ。
例えば狼人間などは成功率の高いいい例だ。

しかし、龍人間となると話は別だ。
精神力も身体能力もドラゴンは人間をはるかに凌駕する。
完全共存はほぼ不可能で、人間の精神がまず狂い始め、龍の精神で居る事が多くなる。
肉体も、人間体でいるよりも龍体で居るほうがはるかに強靭で寿命も長いため、めったに肉体のスイッチも行われない。
つまり、龍人間は実質龍と等しい。
意味のないミクスチャーなのだ。

ヒル魔はただ洞窟を見つめ、目を細め笑みをこぼした。

「掛け合わせた種にもよるが、龍は元々聡明で温厚な種族だ。こんなに凶暴な気のドラゴン居て堪るかよ。」
「…まだ正気が残ってるってことか。」
「さてね。」
「どっちにしろ結界を解かねえと帰り道がねえんだろ?さっさとしろ、サニー。」

クリフォードは膝丈ほどの岩にどっかりと腰を下ろした。
既に休憩の体制だ。

「それが人に物を頼む態度かよ、センセー。」

ヒル魔は囁くように呪文を紡ぎ、光る糸のように唇から零れ出たそれを、細く白い指で模様を描くように絡めとっていった。




…阿含が出てきてない!汗

でももちろん、件の龍男がゴンさんです。
魔導師ヒル魔たんが、龍男ゴンさんの呪いをとこうとする冒険譚。
とてつもない長さになりそう(というかアヒルになるまでにとんでもなく時間がかかりそう)だったのでボツ。
これでもアヒルだと言い張る。クリフォヒルではない…つもり。


没ネタについてですが(というかアヒル祭り用に考えたネタは殆ど没なんですが)、やっぱりアップさせてください。ブログに。呟きとして。
アップするんだったら没じゃねーじゃん、て感じですよね。あはは…(遠い目)。
でも、サイト立ち上げる際に「妄想はすべて形にする!」と決意しましたし、ブログでも宣誓しましたし、吐き出させてください。



つづきに拍手お返事です~


アキレスは気になっていた。
浴槽の端に顔にタオルをかけたまま横たわっているあの金髪は水町か。
いやでも水町にしては線が細い…ような気がする。
それに、知り合ってまだ間もないが、いくらこじんまりとしたペンションとはいえ15人収容の大浴場で、あの水町が騒がないでじっと湯に浸かっているとも考えにくい。

誰や、あの金髪…?
あんな奴選抜におったんか?

そう思い眺めていると、件の金髪は、ずるり、と湯の中に顎まで落ちた。

な!寝てるんか?
そりゃあ今日も練習ハードやったけど。

いくらなんでものぼせるだろう、あの金髪が誰であるにせよ、早く起こさなければ。
アキレスは湯から立ち上がり金髪へと歩…こうとしたが、一足早くその身体を引き上げる腕があった。

「…おいカス、寝てんな、逆上せんぞ。」

そう言って阿含は眠る金髪を浴槽の淵に座らせた。
ぺちぺちと頬を叩くが、金髪は起きる気配がない。
そして顔に掛かっていた白いタオルが落ちる。
アキレスがその顔を確認する前に、金髪の真っ赤に茹で上がった身体は阿含の浅黒い腕にひょいと抱え上げられた。

お、お姫さまだっ×△◆○※…!?

男一人を抱えたドレッドはズンズンと浴室を横切る。

「あれ~ヒル魔ぁ~!のぼせちゃったの~~~??!」

入り口付近で栗田が巨体を跳ねさせてドレッドの腕の中の金髪に近づくのが見えて、アキレスは初めてその男が蛭魔妖一であることを知った。




捏造WC合宿アヒル没ネタその1。しょーもねー!
没ネタとか言いつつ日記に上げるなら没じゃないジャン、という突っ込みはどうぞしないでください。
あんまりいぢめられると泣きます。(←ウザ)

関西弁が分かりませんでした。
関西の方、奇妙に感じられたことでしょうがご勘弁ください。

あと数個没ネタアヒルがあるんですがどうすればいいんでしょうか。逃


アヒルもうちょい待ってください!平謝

でもでも、今月は基本的にアヒル月間なんで、更新はアヒル多めになるかと思います。
先生×サニーは暫しお休み状態です。
…とか言って連載の続き書いたりしちゃうかもしれませんが。(汗)
風呂敷広げまくりですみません。


そういえばもう日付は節分ですね。
ヒル魔さんは原作の4コマでは鬼が島の鬼になってましたが…実際は普通に豆まきしそうですよね、イベント好きっぽいですし。
でも手で撒いたりとかはしなくて、ガトリングに弾の代わりに豆を詰めてダララララ…って発砲してそうです。
セナやモン太に当たって落ちたガトリング豆は、最終的にケルベロスの腹の中へ。


ケルベロスで思い出しましたが、そういえば我が家はまだケルちゃんを登場させてない!
せっかくPDAシリーズなどで先生の泥門訪問というネタを出したのに、せんせーVSケルという美味しいシチュを全く取り入れていませんでした…凹

せんせーVSケルは、
「ケルが襲い掛かった途端先生が何処からともなくドックフードを取り出し瞬く間にケルが先生になつく」
に3000点。


やっぱりアヒルデー更新は無理でした…ずっと前からやるって決めてたのに…ごめんなさい。
というか家に帰り着いたのが日付変更直前でした。
朝から「今日は雪だぜYA-Ha-!」と天気予報で言っていたのに傘を忘れるわ散々迷った挙句レインブーツじゃなくヒールのファーブーツを履いていくわでなかなかサバイバルな一日でした。滑る滑る。
東京で辺りの景色が白くなるほど雪が積もるなんて何年ぶりでしょう。…いや、そんなに昔じゃなかったりして…。



タイトルはもはや突っ込まないで頂けるとありがたいです。
普通に変身しそうだな、というか、変身ポーズが似合うな、と思って。シ○ッカーも退治します。
友情出演で赤羽さんも(無駄に)出ます。


皆様いつも温かい拍手ありがとうございます…!つづきにレスです
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